小学生の子どもにサッカーの試合で活躍させたいと思うならリフティングボールで練習させることをおすすめします。しかし、リフティングの練習はシュート練習にくらべ反復練習の要素が強く単調です。ひとりでコツコツ続ける練習だけに派手さもないことから挫折しやすい練習でもあります。この記事では上達する練習方法とおすすめのリフティングボールをご紹介します。
なぜサッカーと言えばリフティング練習なのか?
サッカーのひとり練習と言えばリフティング練習をおすすめされることも多いのではないでしょうか?なかには「こんな練習をしても意味がない」と考える方もいるかもしれませんね。
対戦相手のいるサッカー試合では、練習のようなロングボールが必ず自分に届くとも限りません。リフティングはサッカーボールをコントロールするのに必要な要素が全て備わっており、イレギュラーなことが起こりやすい試合に強くなる練習でもあります。
練習では上手なのに試合になると空回りするような場合には、リフティング練習がおすすめです。
実はサッカーに必要な要素がリフティングに詰まっている
トラップ力が高まる
サッカーの『トラップ』とはボールを受け止めてコントロールする技術です。
3種類のトラップ技術があり、柔らかなタッチと力加減でボールの勢いを抑える『クッションコントロール』、地面とボールを挟むように着地点を抑え込む『ウェッジコントロール』、ボールの力と蹴る力で勢いを相殺する『ストッピング』です。
柔らかなタッチを必要とするクッションコントロールと勢いを相殺するストッピングは、同じ場所で真上にボールを蹴るコントロールの練習が必要です。地面とボールを挟むウェッジコントロールは、着地点の予測と距離感が必要でどちらもリフティングを繰り返すうちに養われます。
味方が欲しいと思うパスができる
インサイドキックでのリフティング練習は、仲間選手にボールを繋ぐパスの技術が養われます。パスは受け取った味方選手がコントロールしやすい場所や力で蹴ることが求められます。インサイドキックでのリフティングで柔らかな軌道のボールコントロールを練習することができます。
バランス感覚
特に試合の場合ほどバランス感覚が必要とされます。相手選手からタックルを受けても、崩れた体勢から的確にボールコントロールできるようになります。
コーナーキックやゴール前では相手選手と密着したプレーやバランスを崩したプレーも多く、練習通りに蹴られるとは限りません。リフティングの練習では蹴るときのバランス感覚が鍛えられるのでおすすめです。
協調能力の発達
普段、モノにつまずかないように歩けるのは、視点を合わせているモノとの協調能力が備わっているからです。サッカーボールを上手に扱う運動には、ボールを目で追う協調能力が求められます。
蹴ったボールに足を出すリフティングの練習はこの協調能力の発達に効果があります。それに加え、ボールを蹴るタイミングやボールの軌道を追う能力も一緒に養われます。
力加減でボール軌道の予測ができるようになる
リフティングは蹴った高さが一定になるよう蹴る練習をおこないます。どのぐらいの力でボールを蹴ると、そのボールがどのような動きになるか分かるようになります。リフティングの練習を続けることでボールコントロールとボール軌道の予測、判断能力も身につきます。
反復練習でボールが身体の一部に感じる
どのスポーツに共通することですが、感覚を自分のものにするには反復練習が欠かせません。精度の高いボールコントロールの多くは、一瞬の反射的な反応を求めらる場合が多くあります。
特にコーナーキックなどゴール前で相手選手と密着したプレーの状況では反射的なプレーが大いに活躍します。
リフティングの練習は同じ動作を一定の力で続ける技術が求められます。反復練習で身に付けたボールコントロールは、身体の一部のように自然と馴染むような成果が出てきます。
リフティングボールを使うことで得られる練習の効果
ボールコントロールの上達が早い
サッカーボールを上手に蹴られるようになるには、ボールを上手に芯で捉える必要があります。リフティングボールは試合で使う5号ボールよりも小さく、ボールの芯を捉えないと、「ベコッ」とした音が出て上手に蹴れません。
普段使う5号サイズのサッカーボールに比べ跳ねやすく、蹴るボールの力調整や蹴る方向の正確性を求められます。リフティングボールを使って練習を続けることで、効率的にボールの芯を捉えたボールコントロールが上達します。
リフティングボールに慣れない間は、胸の前から離したボールを胸元に蹴り返す練習を繰り返すと良いでしょう。ボールの芯が捉えられ蹴られるよう上達したら、離した手へボールを戻すようにボールコントロールしてみましょう。
シュートやキックの飛距離が伸びる
ボールの芯を撃ち抜いたシュートやキックは、蹴った瞬間の音が違います。その他にも芯を捉えたサッカーボールは、通常蹴る感触と違って心地よく感じ、飛距離も遠くへ伸びるように飛んでいきます。
リフティングボールの中心に向かって直線に蹴りの力を加えるイメージでリフティング練習すると効果的です。
リフティングボールを取り扱ううえでの注意点
リフティングボールは、空気の入れ過ぎに注意が必要です。普段使う5号サイズのサッカーボールと同じ感覚で勢いよく空気を入れ続けるとパンパンに膨らみます。
膨れ上がったままサッカーボールを保管するとボール変形がおこり、元に戻らなくなるので気をつけましょう。空気を入れ過ぎた場合には、空気入れの芯棒だけ挿して中の空気を抜いて空気圧を調整してください。
小学生に効果的なおすすめのリフティングボール10選
リフティングボール選びはサイズや素材の違いもさまざまで迷われる方も多いようです。それぞれリフティングボールの特徴に合わせて選ぶと良いでしょう。
第10位【VISION QUEST】リフティングボール
横ラインの効いたデザインが特徴のリフティングボールです。ホワイトのラインがボールの回転を確認しやすい特徴があります。
カラー | – |
素材 | – |
サイズ | フリー |
第9位【TIGORA】練習球 リフティングボール
アスリートが最高のパフォーマンスを出すために進化を続けるスポーツブランド『ティゴラ』のリフティングボールです。2018年の春夏モデルのリフティングボールで、ホワイト色から卒業などのサインボールとしても人気です。
スマートフォンの保護ケースにも使われる、熱可塑性ウレタン素材で仕上げられているのも特徴です。衝撃吸収力が高いので、素足での室内練習にもおすすめです。
カラー | ホワイト |
素材 | 熱可塑性ウレタン |
サイズ | フリー |
第8位【molten】ヴァンタッジオ リフティングボール 中級者向け
『モルテン』は自社生産で世界屈指の競技用ボールを目指すスポーツブランドです。手縫いのリフティングボールです。人工皮革の素材は天然皮革に比べメンテナンスがしやすく、安価で軽い特徴がりあります。
サッと拭くだけで日頃の手入れができてしまうので、毎日練習される方におすすめのリフティングボールです。
カラー | シルバー×ブラック |
素材 | 人工皮革 |
サイズ | 15cm |
第7位【DUARIG】リフティングボール
『デュアリグ』はフランス発のサッカーブランドです。2016年春夏モデルでフランスらしい美しい色彩が特徴的です。4~5号球と同じ重さで、リフティングの感触にこだわりを感じる方向けのリフティングボールです。
人工皮革の素材に比べるとグリップ力にも優れており、回転させてリフティング練習する上級者におすすめのリフティングボールです。
カラー | フラッシュイエロー |
素材 | 合成皮革/天然ゴム |
サイズ | 17.5cm |
第6位【molten】リフティングボール ヘビータイプ
コントロールしやすい大きなサイズのリフティングボールです。ゴム製でよく弾み、これからリフティング練習を始めてみようと考えている方におすすめのリフティングボールです。柔らかなゴム素材なので、室内でボールコントロールの練習にも向いています。
カラー | ブルー |
素材 | ゴム |
サイズ | 18cm |
第5位【MIZUNO】リフティングボール STEP3
『ミズノ』は日本の総合スポーツメーカーで自社生産で日本人の体型や使い心地を考えてデザインされている特徴があります。合成ゴムは耐久性に優れ、弾力が大きい特徴があります。ボールのサイズも小さく、毎日本格的に練習を続けれられる方におすすめのリフティングボールです。
カラー | オレンジ/ブルー/レッド |
素材 | 合成ゴム |
サイズ | 7.7cm |
第4位【molten】リフティングボール ノーマルタイプ
15cmサイズのリフティングボールは、身長の低い小学生に扱いやすくおすすめです。サッカーに興味のある幼児も安心して使えるサイズで、きっかけ作りと将来のリフティング練習に合わせて用意してあげるのも良いでしょう。
カラー | ブルー |
素材 | ゴム |
サイズ | 15cm |
第3位【MIZUNO】リフティングボール STEP2
手のひらサイズのリフティングボールで、更に上達したい方におすすめのリフティングボールです。試合で活躍したい向上心の高い方に“ステップ3”と合わせてプレゼントすると喜ばれます。サイズが小さくよく跳ねるので、練習場所はある程度の広さが必要です。
カラー | オレンジ/ブルー/レッド |
素材 | 合成ゴム |
サイズ | 10.2cm |
第2位【adidas】タンゴ リフティング練習用ボール
adidasは、ドイツ発のスポーツメーカーです。選手と共に使い心地を追求する特徴があります。“タンゴ”は、コントロールしやすい大きなサイズのリフティングボールです。人工皮革の手縫い縫製なので、普段使っている5号球のサッカーボールに近い感触を好む方におすすめです。
カラー | レッド×ハイレスブルー |
素材 | 人工皮革 |
サイズ | 18cm |
第1位【MIZUNO】リフティングボール STEP1
リフティングが続かない初心者向けのリフティングボールです。適度なゴムの感触と重さが良いとサッカー上級者に人気です。
日本人にフィットしやすいデザインで、蹴り心地も良く子どもに安心して持たせることができます。安定して蹴り続けられるようになったら“ステップ2”のタイプでの練習をおすすめします。
カラー | オレンジ/ブルー/レッド |
素材 | 合成ゴム |
サイズ | 12.7cm |
リフティングが続かない時のチェックポイント
サッカーボールに慣れない間は、リフティングがあまり続かず挫折しやすい練習です。リフティングの練習が上達しない場合には、リフティングのフォームを見直してみてはいかがでしょうか?
チェックポイントを見直すだけで上達する場合も多くあります。なかなか上達しないときには子どものリフティングフォームをチェックしてあげましょう。
ヒザを軸にボールを蹴り上げている
ボールの飛ぶ方向が安定せずリフティングが続かない場合には、ボールの蹴り方をチェックしてみましょう。
ヒザを軸にスイングさせたキックは、シュートやボレーキックと近いキックで振り抜いた方向に飛びます。リフティングに慣れていない場合は前方に飛びやすく、同じ位置で蹴り続けるリフティングには向いておりません。ヒザを軸にボールを蹴り上げていないか確認してみましょう。
つま先を持ち上げてボールを蹴っている
ボールが回転してリフティングが続かない場合には、つま先の形をチェックしてみましょう。
つま先を不用意に持ち上げたリフティングは、ボールが回転して飛びます。足にボールが当たる範囲も狭くなり、リフティング難易度が高まります。回転したボールを同じ高さや同じ方向へ蹴るのは難しく、リフティングに慣れないあいだはおすすめできません。
ボールが回転してリフティングが続かない場合には、つま先が地面と水平に固定されているか再確認してみてはいかがでしょうか?
リフティングはスイングさせないでボールを蹴る
リフティングフォームの見直しで項目に該当した場合、いくつかのポイントを改善するだけで上達するスピードにも違いがでます。言葉だけでは伝わりにくい時には、子どもと一緒に楽しみながらフォームの改善に取り組みましょう。
子どもひとりでフォームの改善をさせる場合には、立鏡の前で練習させると自身で確認しながら改善することができます。その場合には、リフティングボールが当たっても割れて飛散しない鏡を選ぶなど子どもの安全に注意する必要があります。
足首は固定してつま先が水平になるようやや持ち上げる
リフティングの安定性を向上させるには、つま先を地面と水平に固定できるかがポイントです。つま先を固定する位置が分からない場合は、足を地面につけた状態からつま先を少し持ち上げてみましょう。
水平に固定された足首で蹴ると、ボールは上に向かって自然と上に飛ぶようになります。ボールの中心に向かって水平に蹴られるようになると、ボールの回転がない状態でリフティングできるようになります。芯を捉えたリフティングは安定性も良く長く続けることができます。
ヒザを上下させてボールを上にすくい上げる感覚で蹴る
リフティングを持続させて回数を増やすには、腿上げトレーニングのように太ももを使ってヒザを持ち上げるイメージで蹴るのがポイントです。
蹴るときのポイントは、胸の高さまでボールを持ち上げるイメージで、ヒザから足首を真上に向かってすくい上げるように蹴ります。リフティングを続けて蹴られるようになれば、インサイドステップや太ももを使ったリフティングを練習すると更に上達します。
蹴ったボールは胸の高さ以上は上がらないように調整する
リフティングでボールコントロールを上達させるには、一定の高さになるよう蹴る力を意識しながら練習するのが大切です。
どの高さで調節するか迷ったら、慣れないあいだは胸の高さでキープできるようボールコントロールしてみましょう。ボールは足の届く範囲内が1番コントロールしやすく、その目安がちょうど足から胸あたりの距離になります。
リフティングに慣れてくれば頭を越える高さや、ヒザまでの高さなど、どの高さでもリフティングが続けられるように練習します。
リフティングボールを使って興味を持つことから練習させよう
リフティングの練習は単調で飽きやすく、集中して練習を続けるのは難しいです。特に小学生ぐらいだと単調な練習ほど挫折しやすく、場合によってサッカー嫌いの原因になる場合もあります。
リフティング練習が続かないときは無理させて続けるよりも、子ども自身が興味を感じる練習から身体を慣らすことが大切です。
子どもの場合、興味を持って蹴っているうちに気持ちが追いついてくる傾向にあります。逆に気持ちが入ったときの集中力と上達力は凄まじく、子どもをその気にさせてあげられるかがリフティングを上達させるポイントです。
リフティングが続かず飽きてしまった場合には、気持ちを切り替えるためにも子どもと一緒に楽しんで遊んでみるのもおすすめです。